大分カイコウ OITAKAIKOU

REPORT

Camp

2020.01.16

大分カイコウcamp vol.3「アウトバウンド」 第二部

大分カイコウcampVol.3「アウトバウンド」~大分の魅力ある商品を海外へ販路開拓するには?~の第二部では、第一部でトークセッションしていただいた株式会社国東時間 代表取締役社長 松岡勇樹さん、兼松株式会社 九州支店長 出口義且さん、Inagora株式会社 ディレクター赤塚保則さん、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO) 大分貿易情報センター 係長 二原経太さんの4名に参加者の方と一緒にディスカッションをしていただきました。4名の県内起業家とゲスト1名ずつを一つのグループにして、一般の参加者は関心のあるグループに参加してもらいました。

自分のアートを世界に広めるには?

画像1

かおなしまちすさんは、別府を拠点に画家として個性あふれる展示会などを行っています。作品を海外展開したいという点から、国東時間の松岡さんとディスカッションを行いました。

Q.松岡さんが『d-torso』を制作した時は「作品」として作られたのですか?
A.ニットデザイナーの方からマネキンを安くすませるにはどうすれば良いか?という相談があり、身近にあるもので作ったのがきっかけです。作品では無く製品として作ってきました。

Q.自分(まちすさん)のアートを世界に広げるにはどうすればよいのか?
A.まずは海外に行ってみる!大分県出身や別府発祥ということで、ファンの人や大分県にゆかりのある人から国内に、海外にというように助けてくれる人を見つけて活動範囲を広げていくのも良いかもしれませんね。

有機野菜を海外展開させるには

画像2

臼杵を拠点に有機野菜を栽培しているusuki organic laboratoriesの河﨑憲二さん。第1回目の大分カイコウ「食」にも参加していただきました。最近では「菊芋」の栽培にチカラを入れているそうです。その他の一般参加者の中でも、農家さんや学生さんが参加されており同じ「食」のテーマで盛り上がっていました。このグループにはJETROの二原さんが参加しました。

(河崎さん)臼杵を拠点に有機野菜の生産や販売をしており、最近では菊芋などの栽培をしています。
(参加者の方)菊芋いいですよね!実家が農家ということもあり、小さい頃からどのようにすればお金に代えられるのか考えていて、当時は何も情報がなかったのでわからなかったのですが、販路がなかったからだと思います。菊芋をパウダー化したいと思っていたので、このイベントで出会えてよかったです!

(二原さん)現状ではフレッシュな野菜を海外に持って行っているところは規制上難しいと理解しています。また、ヨーロッパは輸送コストがかかるうえ農業国が近くにあるので差別化が難しいかもしれません。規制もそうなのですが、やはり加工している物や乾燥させているものが賞味期限の観点や輸送の面から良いかと思います。生鮮野菜を輸出することを考えているのであれば、検疫について調べてみるのが一番先だと思います。そのあとにニーズがあるのか市場調査することをお勧めします。

Q.ニッチなところをターゲットにするのは?
A.ニッチなところでも、「この商品はなに?」となってしまっては意味がないのではないかと思います。なので、ニーズのあるところを狙っていったほうが良いのではないでしょうか。

Q.海外から来られたお客さんに意見を聞くと曖昧な意見が多いので、何を基準にし たら良いのかわからないことが多いです。どうすれば良いのでしょうか?
A.日本に来た外国の方に意見を聞いても、日本を求めて来ている人が多いのであまり参考にはならないですね。それよりも海外に商談会や展示会に行きバイヤーさんにダメ出しを貰いにいく方がよいです。美味しくないものは美味しくないというので、厳しい意見が聞けるかと思います。

海外に竹商品を売るには

画像3

別府で竹を取り扱っている永井製竹さん。会社の経営や問屋さんに課題を抱えており、今後「永井というブランドは竹」というように高級ブランドにして海外に広めたいという思いがあるそうです。また、日本で売っているものは売らずに、海外のみの商品を販売したいことからどのようなブランディングをしたら良いのかを悩まれていました。参加者の方から具体的に、「このような商品にしてみては?」との意見が出ていました。こちらのグループにはInagoraの赤塚さんが参加しました。

Q.海外への販路拡大にするにはどのようにしたらよいでしょうか。
A.日本文化に馴染んで日本の用途でしか使わない物は、たしかに海外で売ってもニーズは無いかとおもいます。しかし、コップなど世界共通なものもあるので「日本に売っているものは売らない」と決めなくてもいいように思います。売る場所に合わせて、商品を作らないとですね。そのあたりで、現地の代理店さんがどれだけ店舗のコネクションを持っているのかが鍵になってきます。代理店さんとニーズ調査から商品企画、どこで売るのかなど、相談しながら進めることができると思います。

新鮮な魚は輸出できるのか

画像4

飲食店Ourschestra.[ウルスケストラ]を営んでいる南さん。ヨーロッパなどの日本食レストランに、日本の鮮魚や熟成魚を届けるにはどのようなにすればよいのかを相談されていました。その問いに答えてくれたのが、兼松の出口さんです。

Q,生魚は外国に持っていくと売れるのか?
A.生魚は持っていける地域と持っていけない地域があります。香港は簡単に持っていくことが出来ますが、競争率が高いので価格競争になるのかと思います。

Q. 熟成魚や真空パックに入れれば鮮度が保つ魚をヨーロッパ向けに販売することは可能なのか?
A.天然の魚だと不可能ですが、養殖の魚だとライセンスを取ることで輸出することが出来ます。ヨーロッパに持っていくのであればブリ・ハマチぐらいしか無いですね。ヨーロッパ現地の店舗で魚を売る事をお考えであれば、漁師さんや海辺の方に熟成が出来るパイプを作って持っていくほうが、簡単ですね。

Q.海外レストランなどの飲食店に、日本の魚を紹介したり輸出したりするにはどのような点に注意する必要があるのか?
A.EUの輸出の認可は水産庁と厚労省の2つの団体がライセンス発行しており、サイトに輸出出来る企業一覧が出てくるので、参考にしてみてください。輸出の認証を取るためには一苦労あると思いますが。ヨーロッパに出すには厚労省と水産庁の制度があり、それをクリアしなければ衛生証明書を発行しないので、どのような工場でできるかなど事細かいチェック項目をクリアするために、サイトに書いているコンサルに相談してみるとよいですね。

まとめ

この大分カイコウをきっかけに、日本のみならず海外進出を視野に入れている企業さん同士の繋がりや、相談してくだる企業との繋がりが出来ていました。このコミュニティで機運を高め海外展開を進めてほしいですね。次回の大分カイコウcampは「ボーダレス」をテーマに1月14日に開催されます。ゲストや会場の情報についてはこちらのフェイスブックページに更新されますので、チェックしてみてください
https://www.facebook.com/oitakaikou/