REPORT
2020.12.28
【大分カイコウCase】 テクノロジー×伝統工芸の邂逅が生み出す竹スピーカー aretus・小野富之氏/生永壮太氏 × MIKAI BAMBOO・麻生あかり氏(竹藝家)
大分市出身の小野富之氏と別府市出身の生永壮太氏が中心となって活動を行う”aretus(アレタス)”というチームがある。
小野氏は自動車メーカーにて設計・開発の担当を経て、現在は主に企画を担当し、
生永氏は電機メーカーの関連会社にてヘッドホン・マイクなどの技術開発を担当しているというテクノロジーチームである。
友人関係である両名は、かねてより量産製品にはない”あたたかなモノ/コトづくり”がしたいとの構想を語り合っていた。
そんな中、新型コロナウイルスの影響による世界の変化を機に本格的なアクションを起こし始めたという。
テクノロジーのバックボーンや想いを持つ両名が最初に生み出したいと考えていたものはスピーカーであった。
スピーカーであれば、見た目のあたたかさとともに、テクノロジー面での表現も同時にできると考えたためである。
そんな中、偶然目にした大分カイコウの”伝統工芸”をテーマにしたイベントに参加し、
そこで”カイコウ”したのがMIKAI BAMBOOの麻生あかり氏(竹藝家)であった。
麻生氏は大分県立竹工芸訓練センターで基礎を学んだ後、自身の竹ブランド”MIKAI BAMBOO”を立ち上げ、
2017年にはイタリアトリエンナーレ美術館「JAPAN DESIGN WEEK in MILANO」に出展するなど、大分県を代表する竹藝家の一人である。
大分県、別府で産業として長年培われてきた竹工芸、そして麻生氏が持つ伝統工芸を最新のモノへと昇華させていくセンスや
その技術力に惹かれ、小野氏・生永氏は麻生氏と竹を使ったスピーカー作りをしたい、と話しを持ちかけるに至ったという。
日本中に竹工芸を産業として行っている地域はあるが、大分県、別府の竹工芸はクオリティが高いことで有名である。
その国内屈指の竹工芸の技術と、先端テクノロジーを持つ両者とが掛け合わさり、これまでにない竹スピーカーを生み出そうとしている。
麻生氏は自身の作品を作るために、自ら竹を切り出し、素材として最適な性質を持っているかどうかを
吟味するほどの強い想いを持って竹と向き合っている。
そしてその技術とセンスをスピーカーに取り入れ、あたかかさを感じながらも性能にも優れたスピーカーを作り出したいという
小野氏・生永氏の想いとが今まさにカイコウしている。
小野氏・生永氏が言うには、テクノロジーと伝統工芸をかけあわせることで、伝統工芸が持つ良さを現代の感性へとアップデートし、
その結果地域の産業、地方創生へと貢献できるような活動にしていきたいという想いでaretusの活動を行っている。
そして、大量生産の製品が経年劣化していくのとは真逆の、”経年深化(けいねんしんか)”し、
味わいや性能が深まるようなモノづくりをしていこうとしている。
大分カイコウでの邂逅をきっかけに、世界で賞賛されるような製品が生まれるかもしれない。
そして、そのためにはマーケティングや事業化のための知見・経験が豊富な仲間を増やしていきたいと考えているとのこと。
もし、小野氏・生永氏・麻生氏の想いに共感、共鳴し、この活動の力になりたい、と思う方がおられたら、
ぜひとも門戸を叩いてみてもらいたい。
引き続き大分カイコウでは、新たな邂逅を生み出していくことで、この活動を応援していきたい。