大分カイコウ OITAKAIKOU

REPORT

Other

2023.02.28

【大分カイコウReport】スタートアップイベント〜BizWorldイベント〜

2月18日(土)・19日(日)に開催した大分カイコウスタートアップイベントでは、
アントレプレナーシップ教育プログラム「BizWorld」を提供するBizWorld Japanの講師をお招きし、
県内の高校生以上の学生(大学生・大学院生・短大生・高専生)を対象に、起業から資金調達、商品製作・販売、決算まで、
ワークショップを通して会社経営が学べるイベントを実施しました。
新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染対策を入念に行った上で、nando H.W.Lナンドホール(大分市)にてリアルイベントを行いました。

【大分カイコウとは?】
大分にゆかりのあるビジネスパーソン同士が、既存ビジネスの発展や新しいビジネスの創発を目指して一堂に会する。
ジャンルの垣根なく、人・ものごと・ビジネス・思想など、あなたと誰かの邂逅(思いがけない出会い)が生まれるかも知れない…
そんな場を醸成していきます。

また、”これから大分に関わるきっかけが欲しい”方が、地元課題解決のための活動や事業に参画するための足掛かりとなる最初のステージとしてご参加いただくこともできます。

「大分にゆかりがある」という共通言語によるスピーディーな信頼構築と、新進の事業者/起業家も集まるクローズドサロン特有の質の高い情報交換により、
単なる出会いに留まらない次のアクションを喚起するような邂逅を生み出していきます。

【Camp#03 総括】
大分カイコウ初となるスタートアップイベントでは、2DAYSで起業から会社経営のノウハウを学ぶためのワークショップ形式のイベントを、
BizWorld Japanの皆様にご協力いただき、開催しました。
BizWorld Jpanの詳細はこちら

<DAY1>
まずはアントレプレナーシップやビジネスの基本についてお話をしていただきました。
起業することで最も大事なことは「失敗を恐れないこと」。
どんな起業家でも色々な失敗があり、今に至っています。
失敗をしてはならないというマインドではなく、失敗を恐れないマインドを持つことが起業家になくてはならないマインドです。

ただ、マインドセットだけでは会社を継続していくことは難しく、やはりお金も必要になってきます。
「帳簿のお金と財布の中身がピッタリあっていること」。
これがお金の管理で最も大事な部分であり、会社設立時や会社を運営していくためにお金が必要になるタイミングや金額感、どう管理をしていくのかなどの講義もありました。

その後、チームごとにCEOやCFO、マーケティング、デザイン等1人1人の担当を決め、商品制作のためのプロトタイプ制作を行い、
ベンチャーキャピタル(以下VC)へのピッチを行いました。
プロトタイプ制作では、温泉染研究所/旅する服や メイドインの協力により、別府ならではの温泉染を使用した栞作りを行いました。
温泉染研究所の詳細はこちら

小売価格と卸売価格の違いを学び、VCに興味を持ってもらうことができ、かつ量産可能なプロトタイプの制作を行いました。
また、会場にいるギャラリーへの市場調査や実際の起業家にコンサルティングを依頼しながら制作を進める姿も見受けられました。
 

VCへのピッチでは、「1分間で伝えたいことを端的に具体的に伝えること」「株を売りすぎないこと」に注意しながら実施し、
VC側からの5割を超える株の買取提案に対しても、趣旨をきちんと読み取り、3〜4割の売却を行い、予定していた資金調達を行うことができました。

<DAY2>
2日目は商品生産(プロトタイプの量産)からになりました。
前日考案したプロトタイプを、生産ライン方式・ジョブショップ方式のどちらの方法で製造していくかを検討しました。(全チーム生産ライン方式を選択)
 

次に生産を行うための資金調達として、銀行へのピッチを実施しました。
VCと銀行の違いは「リターンを求めるか求めないか」というところであり、VCは将来性を見込んで投資するのに対し、
銀行では、どのくらい経費がかかり、その経費を投じることでどのくらいの利益が見込めるのかという現実的な内容に融資を行っていきます。
ピッチでは、現在の財務状況をしながら、商品のターゲットや価格帯、デザインについてVCピッチと同じく1分間で説明を行いました。
銀行側からの少し厳しめの質問に戸惑いながらも、会社の仲間同士で助け合う場面も見られました。

商品製造と同時進行で、その商品をどのように売っていくか、マーケティング戦略を立てていきました。
今回の広報媒体はポスターを制作することが課題として与えられ、何枚のポスターを作るのか、何を訴求するのかをコンサルティングを交えながら検討しました。


販売フェーズでは、ギャラリーや事務局スタッフがお客様役として、各チームが作った商品の購入を行いました。
今回は実際のお金ではなく、ここだけの通貨「BB」で買い物を行いました。
お客さん役に出されたルールはこれまでのストーリーは忘れて、本当に欲しいと感じたものだけ買うこと。
販売開始の時間までに商品が準備できているチームもあれば、準備が間に合わず生産しながらの販売を行うチームもありました。
また、販売方法についても最初にお客様を集めセールストークで販売を行う方法やオークション形式で販売を行う方法、購入後のアップセルとしてオプション販売を行う方法など、
様々な販売の仕方が見られました。
 

販売後は待ちに待った決算。
結果として、経費はほぼ同額でしたが、売上金額に違いがあり、最終的な企業価値にも差がありました。
生産しながらのチームも奮闘しましたが、初期販売の数を十分に用意できていたチームが多い売上を上げることでき、スタートダッシュを切れたかどうか、
追加生産やオプションの手間が少ないかどうかが今回のイベントでは大きなポイントになりました。
企業価値を上げるためには、コストを下げて売上を上げることやお客様とのコミュニケーションも重要ですが、世の中のためになるもの・必要とされるものを
生み出し続けていくことが起業家として重要な考え方になります。
 

今回のイベントでは、会社設立のマインド・方法から販売・決算までの会社運営までを2日間で体験していただきました。
参加した学生から「良い勉強になった」という声を多くいただくとともに、ギャラリーとして参加していた大人も気付かされる部分が多く、
双方に取って良い刺激を得る場となりました。
起業やビジネスの考え方を身につけることで、起業した際はもちろん、一般企業に就職をした際にも重要となる部分を学ぶ機会になったのではないでしょうか?

最後になりましたが、今回ご参加頂いた皆様、ご協力頂いたBizWorld Japanの皆様、温泉染研究所様、ありがとうございました!

 

【アンケート結果】
大分カイコウスタートアップイベントの参加者アンケート結果を一部ご紹介いたします。

■総合的な満足度

■今回のイベントで一番面白かったプログラムを教えてください。

■上記を選んだ理由を教えてください。
・どういうストーリーをのせるかを考えるのが、楽しかったから。(商品広告)
・会社の価値の見方を知れた。(企業価値の算定)
・新たなプロダクトを作り、価値創造する機会が無かったから。(商品の製作)
・販売までの時間が足りなく、作りながらの販売で、それに対応しながらできて楽しかったから。(販売)
・元々、物を作ったりすることが好きなので、楽しかった。(商品の製作)
・考えたものは、こんな感じのものになるんだと知れたから。(商品の製作)
・初めての経験&なかなかできない経験(ピッチ)
・それぞれ自分の役割を受け活躍し、最後の販売でその成果が出たから(会社設立、販売)
・人とのコミュニケーションを一番感じることができたから。(販売)
・普段、数字として表れる活動をしていなかったので、素直に楽しかったです。(企業価値の算定)

■今回の大分カイコウに参加して学んだことを教えてください。
・ビジネスについての知識、チームワーク
・マネジメントと会社の設立方法
・財務を担当し、適切な仕入れを設定するために、まずは、ルールを理解しなければならないこと(社会でのルール、法、経済)
・起業についてたくさん学ぶことができた。こんなに工程があるとわかって驚いた。
・今まで知らなかった、起業のことをたくさん学ぶことができた。たくさんの人と交流し、人脈を広めることが大切だとわかった。
・会社の仕組み(なにを記帳するのか、なにが大事で重要視するべきか知れた。)
・数字との関わり、関係構築の重要性
・チームで役割を分担してリーダーを中心に動くこと
・企業価値の計算方法
・時間に追われながら、制作することで高いクオリティを出すことができると知ることができました。

まとめ
スタートアップイベントは大分カイコウ初の取り組みとなりましたが、参加者・ギャラリー含め好評の結果となりました。
高校生・大学生が入り混じったチーム編成を行い、前半は大学生がリードしつつも後半は年齢の差を感じないチームとなりました。
学生たちの柔軟な発想にギャラリーサイド(大人)が改めて気付かされる部分もあり、双方にとって学ぶものが多いイベントでした。
今回のイベントを通して起業の面白さや楽しさ、大変さを感じていただけたのではないでしょうか?
今回の参加者の中から起業をし、カイコウSalonやCampで登壇していただける方が出て来るのが楽しみです。

また、今回のスタートアップイベントをもちまして、今年度の大分カイコウは終了となります。
今年度もご参加頂いた皆様、ご協力いただいた皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
次年度も皆様にお会いできることを楽しみにしております!